人材開発支援助成金 完全ガイド【2026年度】

JINZAI KAIHATSU|制度ガイド

人材開発支援助成金
完全ガイド【2026年度

従業員の育成にかかる研修経費や賃金の一部を国が助成する「人材開発支援助成金」。4つの主要コースの助成率・支給限度額・要件・申請の流れを、令和8年度(令和8年5月14日以降に提出する職業訓練実施計画届が対象)のパンフレット基準で整理しました。

UPDATED: 2026.07.17
READ TIME: 約12分
出典: 厚労省 令和8年度パンフレット

SECTION 01人材開発支援助成金とは(全体像)

人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練等を「計画に沿って」実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。中小企業の人材育成・定着投資を、実質負担を抑えて実行できるのが最大のメリットです。

キャリアクリエでは、まず無料の組織診断とキャリア面談で「本当に必要な研修」を特定し、その研修を設計・実施したうえで、この助成金の活用まで一気通貫でご支援します。助成金は目的ではなく、必要な人材投資のハードルを下げる「入口」です。

▶ 令和8年度(令和8年5月14日以降の計画届)のポイント

  • OFF-JT・OJT・eラーニング・通信制のいずれも対象(eラーニング・通信制は経費助成のみで賃金助成は対象外)。
  • 申請の前提として、「職業能力開発推進者」の選任「事業内職業能力開発計画」の策定・周知が必要(有期実習型訓練を除く)。
  • 令和7年度以降、支給・不支給の審査は支給申請後に一括して行われます。
  • 令和8年度から、支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」が必須になりました。

SECTION 02全コース早見表(助成率・支給限度額)

人材開発支援助成金は複数のコースで構成されます。中小企業がまず検討すべき主要4コースと、その1事業所・1年度あたりの支給限度額は次のとおりです。

コース 主な対象 経費助成率(中小) 1事業所・年度の支給限度額
① 人材育成支援コース 職務に関連するOFF-JT研修(10時間以上)等 45%〜最大85% 1,000万円
② 教育訓練休暇等付与コース 有給の教育訓練休暇制度の導入・適用 定額30万円(36万円) 1事業主に1度限り(限度額の設定なし)
③ 人への投資促進コース
令和8年度末までの時限
高度デジタル/大学院/サブスク研修/自発的学習/長期休暇 45%〜75% 2,500万円
※成長分野等人材訓練は別枠1,000万円
④ 事業展開等リスキリング支援コース
令和8年度末までの時限
事業展開・DX等に伴う新分野の訓練 75% 1億円
⑤⑥ 建設労働者認定訓練/技能実習コース 建設事業主等が対象(別枠「建設事業主等に対する助成金」) 建設分野向け
障害者職業能力開発コース 障害者の職業能力開発訓練施設の設置・運営等 障害者雇用分野向け

※( )内・大企業の率/額は本文参照。金額は令和8年度パンフレット基準。時限措置のコースは令和9年度以降の扱いが未定です。

SECTION 03① 人材育成支援コース

最も汎用的で、中小企業の社内研修に広く使える中核コースです。1事業所・1年度あたりの支給限度額は1,000万円。次の4つの訓練メニューがあります。

訓練メニュー 経費助成率(中小・通常→賃金要件等) 賃金助成(1人1時間) OJT実施助成(1人1コース)
人材育成訓練(OFF-JT・正規) 45%(大30%)→ 60% 800円 → +200円
人材育成訓練(有期契約労働者) 70% → 85% 800円 → +200円
認定実習併用職業訓練 45%(30%)→ 60% 800円 → +200円 20万円(大11万)→ +5万
有期実習型訓練(正社員転換) 75% → 100% 800円 → +200円 10万円(大9万)→ +3万
中高年齢者実習型訓練(45歳以上・R8新設) 60%(45%)→ 75% 800円 → +200円 10万円(大9万)→ +3万

▶ 経費助成の限度額(1人1訓練あたり・実訓練時間数で変動)

  • 10時間以上100時間未満:中小15万円(大企業10万円)
  • 100時間以上200時間未満:中小30万円(大企業20万円)
  • 200時間以上:中小50万円(大企業30万円)
  • 賃金助成の対象時間は1訓練1,200時間まで(専門実践教育訓練は1,600時間)。1労働者の年度あたり支給申請は3回まで。

「賃金要件等」とは、訓練修了後に受講者の賃金を一定率以上引き上げる等の要件で、達成すると助成率が加算されます。御社の課題に合わせた研修設計から、この加算要件の充足までまとめてご相談いただけます。

SECTION 04② 教育訓練休暇等付与コース

従業員が自発的に学ぶための「有給の教育訓練休暇制度」を就業規則等に整備し、実際に取得させた事業主に対する定額助成です。制度づくりそのものを後押しする位置づけで、支給限度額の設定はなく、1事業主に1度限りの支給となります。

定額助成

教育訓練休暇制度

3年間で5日以上の有給教育訓練休暇を取得できる制度を導入し、実際に労働者が取得して訓練を受けた場合に助成されます。

助成額
30万円(賃金要件等を満たす場合36万円
支給回数
1事業主に1度限り
ポイント
制度を「導入し、実際に適用」して初めて対象。就業規則の整備が要

※「長期教育訓練休暇制度」「教育訓練短時間勤務等制度」は、令和4年度以降 ③人への投資促進コース側に位置づけられています(次セクション参照)。

SECTION 05③ 人への投資促進コース

デジタル人材育成や自発的な学び直しを後押しする、令和4年4月〜令和9年3月の時限措置コースです。1事業所・1年度あたりの支給限度額は2,500万円(成長分野等人材訓練は別枠1,000万円)。5つの訓練メニューがあります。

訓練メニュー 経費助成率(中小) 賃金助成(1人1時間) 備考
高度デジタル人材訓練(ITSS/DSS-Pレベル3・4等) 75%(大60%) 1,000円(大500) 資格取得の受験料も対象
成長分野等人材訓練(海外含む大学院等) 一律75% 国内大学院1,000円 限度額は別枠1,000万円
情報技術分野認定実習併用職業訓練(IT未経験者) 60%(大45%)→ +15% 800円 → +200円 OJT 20万円(大11万)→ +5万
定額制訓練(サブスク型研修サービス) 60%(大45%)→ +15% 限度額は1人1月2万円
自発的職業能力開発訓練 45% → +15% 労働者の自発的受講費を事業主が負担

▶ 長期教育訓練休暇・短時間勤務等制度(本コース内)

  • 長期教育訓練休暇制度(30日以上):制度導入20万円(+4万)、賃金助成1,000円/h(大800)・上限1,600時間(賃金助成の人数制限は撤廃)。業務を代替する労働者の新規採用助成27/45/67.5万円、職務代行手当75%(月16万上限)。
  • 教育訓練短時間勤務等制度:所定労働時間の短縮等の制度導入20万円(+4万)。

SECTION 06④ 事業展開等リスキリング支援コース

新規事業の立ち上げやDX・GX化など「事業展開等」に伴い、労働者に新たな分野で必要となる知識・技能を習得させる訓練を対象とする、令和4年12月〜令和8年度末の時限措置コースです。助成率が高く、1事業所・1年度あたりの支給限度額も1億円と大きいのが特徴です。

高率助成

助成率・限度額

経費助成率
中小75%(大企業60%)
賃金助成
1,000円/h(大企業500円)
設備投資加算
導入費用の50%(1人15万・10人以上は一律150万上限)
経費助成限度額(1人1訓練)
10-100h未満=中小30万(大20万)/100-200h未満=40万(25万)/200h以上=50万(30万)
支給限度額
1事業所・1年度あたり1億円
期限
令和8年度末までの時限(令和9年度以降は未定)

▶ 活用予定があるなら早めに

③人への投資促進コースと④事業展開等リスキリング支援コースは、いずれも令和8年度末までの時限措置です。DX・新分野の人材育成を予定しているなら、令和8年度中の計画届提出を前提にスケジュールを組むのが安全です。

SECTION 07共通の要件と申請の流れ

コースを問わず、次の流れで進めます。特に「計画届を訓練開始の前に出す」ことが絶対条件で、後から遡っての申請はできません。

  1. 準備:職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定・周知する(有期実習型訓練を除く)
  2. 計画届の提出:訓練開始日の6か月前〜1か月前までに「職業訓練実施計画届」を管轄の都道府県労働局へ提出
  3. 訓練の実施:計画に沿って研修(OFF-JT/OJT等)を実施。訓練費用は支給申請までに全額支払い済みにする
  4. 支給申請:訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請書と必要書類を提出(令和8年度は様式第28号の疎明書が必須)
  5. 審査・支給:支給申請後に一括して審査され、支給・不支給が決定

▶ キャリアクリエの役割

研修の企画・設計・実施は当社が担い、助成金の計画届・支給申請の代行は提携社労士(申請は社労士の独占業務)と連携して進めます。御社に顧問社労士がいる場合はそちらとの連携も可能です。「診断→処方→研修→助成金申請→伴走」までワンストップでご支援します。

SECTION 08よくある誤解・注意点

  • 「人材育成支援コースの上限は500万円」は誤り。正しくは1事業所・1年度あたり1,000万円です。
  • eラーニングは「経費助成が引き下げられた」わけではない。eラーニング・通信制は経費助成限度額の区分上、一律「10時間以上100時間未満」に該当するため中小15万円。時間数が上がる通学制等では30万円・50万円の区分が適用されます。
  • 「実質無料」を謳う勧誘はNG。助成金は要件充足と労働局の審査を経て事業主に支給されるもので、受給を保証するものではありません(厚労省が注意喚起)。
  • 計画届は訓練開始の「前」。始めてしまってからの申請はできません。
  • 時限コースは年度末に注意。人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースは令和8年度末までの措置です。

本ページの数値は厚生労働省の令和8年度パンフレット(令和8年5月14日以降に提出する職業訓練実施計画届が対象)に基づきます。制度は改正されることがあるため、申請前には必ず最新の公式パンフレット・労働局にご確認ください。

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