この記事は、社員を「送り出す側」——中小企業の経営者・人事担当の方に向けて書いています。すでに複数の退職が重なっている方は連鎖退職の止め方①|初動72時間から、退職日や有給でもめそうな方は法的な扱いから読んでください。まだ起きていない方は兆候のチェックリストで確認できます。
連鎖退職とは|集団退職との違いは「引き金があるか」
ある社員が退職を申し出た直後、別の社員からも「実は自分も」と切り出される。先行する退職が引き金となって、後続の退職が出る。これが連鎖退職(退職ドミノ)です。
似た言葉に「集団退職」がありますが、両者は定義の軸が違います。連鎖退職は「引き金があるかどうか」(因果関係)で、集団退職は「同時期に重なったかどうか」(時間的な集中)で定義されます。引き金なしに複数が重なることもあるので、集団退職が必ず連鎖退職とは限りません。判断基準の詳細は集団退職の兆候と初動対応で解説しています。
連鎖退職と単発の退職の違いは一点です。単発の退職は「その人の事情」で説明がつきますが、連鎖退職は「会社の構造」を疑って初めて説明がつくことがほとんどです。ここを取り違えて、一人目と同じ対応を続けているうちに二人目・三人目が出る——これが最もよくある展開です。
「最初の一人」は原因ではなく、きっかけにすぎない
連鎖退職が起きたとき、経営者の意識は「最初に辞めた人」に向かいます。あの人が他の社員に声をかけたのではないか、転職先を紹介し合っているのではないか——実際には、そうしたケースばかりではありません。
起きているのは、もっと単純なことです。不満は最初の退職より前から存在していて、ただ「動く理由」がなかっただけです。一人が実際に辞めたことで、残った社員の中で「辞めるという選択肢は現実的だ」という認識が更新される。それだけで連鎖は始まります。
連鎖退職の原因|3つのメカニズム
原因1|感情の伝染——「我慢しなくていい」という更新
退職の連鎖は、情報ではなく感情で広がります。転職先の情報が共有されるのではなく、「この会社にいる理由はもうない」という結論が共有されるのです。
とくに、日頃から愚痴を言い合っていた関係のなかで一人が実行に移すと、残りのメンバーにとって退職のハードルは一気に下がります。「言っているだけ」だったものが「やれること」に変わるからです。
原因2|キーパーソンの喪失——支柱が抜ける
連鎖のトリガーになりやすいのは、影響力の大きい社員の退職です。ここでいうキーパーソンは、必ずしも役職者ではありません。「あの人がいるからこの会社にいる」と周囲から思われている人のことです。
中小企業では、この一人が組織の安定を支えていることが珍しくありません。役職ではなく、人望と業務知識で支えている。だからその人が抜けると、「この会社を成り立たせていた前提が消えた」という受け止め方が広がります。
誰がキーパーソンなのかは、組織図を見てもわかりません。属人化が起きている業務と、社内で相談が集まっている人。この2つを重ねると輪郭が見えてきます。エース級の社員が抜けた局面の対応はエース社員の退職|引き止めの限界と初動で詳しく扱っています。
原因3|負荷の玉突き——最も実務的で、最も見落とされる
3つのなかで、経営者が最も手を打ちやすく、しかし最も放置されがちなのがこれです。
一人が辞めると、その業務は残った社員に配分されます。多くの中小企業では、この配分が「できる人」に寄ります。結果として、最も優秀で、最も辞められると困る社員の負荷が真っ先に上がる。
その人は、増えた仕事をこなしながらこう考えます。「辞めた人の分まで背負って、給料は変わらない。この会社にいると損をする」。そして二人目の退職が起きると、同じことがもう一段強く起こります。
連鎖退職の多くは、感情の問題である前に、業務配分の問題です。ここを設計しないまま「気持ちに寄り添う」対応だけをしても、連鎖は止まりません。
連鎖退職の事例パターン|中小企業でよくある3つの型
相談を受ける事例は、おおむね次の3つの型に整理できます。自社がどれに近いかで、打つべき手が変わります。
型1|キーパーソン起点型
人望のある中堅社員が辞め、その人を慕っていた若手が数か月のうちに続く。最も多く、最も短期間で進行する型です。引き金がはっきりしているぶん、残る社員への個別対話が効きやすい。着手すべきは、後追いリスクの高い社員の特定と、業務の再配分です。
型2|負荷玉突き型
最初の退職者の業務が特定の一人に寄り、その人が数か月後に辞め、また別の一人に寄る。ゆっくり進行し、経営者が「連鎖」だと気づかないまま半年から1年が経つのが特徴です。退職者を時系列で並べ、それぞれが誰の業務を引き取った直後だったかを確認すると、型が見えます。
型3|同一部署集中型
特定の部署からだけ退職者が相次ぐ。他部署は落ち着いているため、全社の離職率では異常が見えません。この型は、ほぼ確実にその部署のマネジメントに原因があります。部署単位で分解して初めて発見できるため、平時から部署別に離職を追う運用が必要です。
連鎖退職の兆候|手遅れになる前に出るサイン
連鎖退職は、ある日突然始まるように見えて、実際には数か月前から信号が出ています。あくまで目安ですが、4つ以上に当てはまる場合は、いつ最初の一人が出てもおかしくない状態と考えてください。
| 領域 | 兆候 |
|---|---|
| 会話 | 雑談が減り、業務連絡だけになった |
| 会話 | 会議で反対意見が出なくなった(賛成ではなく諦め) |
| 行動 | 飲み会・社内イベントの参加率が明確に落ちた |
| 行動 | これまで残業していた社員が、定時退社に切り替わった |
| 業務 | 「これ、私がやらないと回らないので」という発言が増えた |
| 業務 | 頼んでいないのに引き継ぎ資料・マニュアルを作り始めた社員がいる |
| 業務 | これまで共有されていた情報が、急に上がってこなくなった |
| 組織 | 特定の部署だけ離職が続いている |
| 組織 | 直近1年の退職者の理由が、全員「一身上の都合」で止まっている |
| 組織 | 中堅層(勤続3〜8年)が薄くなってきた |
これらはあくまで、会社側が組織の状態を把握するための着眼点です。個々の社員の私生活や休暇の使い方を詮索するためのものではありません。とくに年次有給休暇については、取得そのものを問題視したり、取得を理由に不利益な取り扱いをすることは法律上認められていません(労働基準法附則第136条)。
兆候のなかで最も重いのは、下から2つ目です。退職理由が全員「一身上の都合」で記録されている会社は、原因を一つも把握できていないということです。原因がわからなければ、次も同じ理由で辞められます。自社の構造をもう少し広く点検したい方は人が次々辞める会社の7つの特徴もあわせてご覧ください。
連鎖退職を放置したときのコストを、自社の数字で出す
「対策にコストをかけるべきか」を判断するには、放置したときのコストを先に出すのが確実です。よそで見かける「離職1人あたり◯◯万円」という平均値ではなく、自社の数字で計算してください。経営会議で予算を通すときにも、この表がそのまま使えます。
1人が辞めたときに実際に出ていく費用(記入用)
| 項目 | 計算のしかた | 自社の金額(記入欄) |
|---|---|---|
| 採用費 | 求人広告費+人材紹介手数料(理論年収のおおむね30〜35%が一つの目安。職種や採用難易度によっては40%を超えることもあります)+面接にかけた人件費 | 円 |
| 教育・立ち上がり費 | 戦力になるまでの月数 × その間の給与・社会保険料 × 立ち上がり中の生産性の目減り分 | 円 |
| 引き継ぎ工数 | 引き継ぎに関わる社員の時間単価 × 投入時間 | 円 |
| 残った社員の超過負担 | 欠員期間中の残業増加分の割増賃金 | 円 |
| 機会損失 | 止まった案件・落とした売上・遅れたプロジェクトの粗利 | 円 |
| ノウハウの消失 | その人しか持っていなかった顧客関係・技術の再構築にかかる費用 | 円 |
※理論年収=月給×12か月+賞与。通勤手当は含まないのが一般的です。
ここまでを1人分として計算し、それを連鎖した人数分だけ掛ける。採用費だけを見ていたときの2〜3倍になることも珍しくありません。下4行に集まっている費用が、それまで計上されていなかったからです。
この数字の使い方
- 予防への投資額の上限:面談・研修・診断にいくらまでかけてよいかの根拠になる
- 採用と定着の優先順位:同じ金額で「1人採る」のと「2人辞めるのを防ぐ」のとどちらが得か
- 役員・株主への説明:「人が辞めています」ではなく「今期◯◯万円が流出しました」と言える
連鎖退職の止め方①|初動72時間——2枚目の退職届が出たとき
ここからは、すでに連鎖が始まっている場合の対応です。社員数十人規模の中小企業では、2人目が出た時点で単発の退職とは切り離して考えてください。(規模の大きい会社では、人数ではなく在籍者に対する割合と役割の重なりで判断します。基準は集団退職の記事にまとめています。)
0〜24時間|事実を確定させ、情報を統制する
最初にやるのは対策ではなく、事実の確定です。感情で動くと、ほぼ確実に悪化します。
- 誰が・いつ付で・どんな理由を口にして辞めるのか、書き出す
- その人の担当業務・顧客・締切・アクセス権限を一覧化する
- すでに社内でどこまで知られているかを把握する
- 誰から・どの順番で・何を伝えるかを決める
情報統制は隠蔽のことではありません。経営者の口から正式に伝わる前に、噂で広がる状態を避けるということです。噂で知った社員は「自分は大事にされていない」と受け取ります。連鎖のスイッチはそこで入ります。
24〜48時間|残る社員に、負荷の見通しを示す
残った社員が最初に知りたいのは、退職者の理由ではありません。「自分の仕事はどれだけ増えるのか」です。ここに答えないまま「これからも頼む」とだけ言うのが、最も危険な対応です。
- 退職者の業務を書き出し、誰が引き取るかを名指しで決める
- 引き取る人には、代わりに何を外すかをセットで示す(これが抜けると負荷の玉突きが起きる)
- 一人に寄せない。寄せざるを得ないなら、期限と対価を明示する
- 経営者自身が一部を引き取る。姿勢の問題ではなく、実務として効きます
- 採用・外注・業務の一時停止も選択肢として卓上に出す
48〜72時間|一人ずつ、個別に話す
全体朝礼で説明して終わりにしないでください。連鎖退職の局面では、個別に話したかどうかが分かれ目になります。
とくに、退職者と近かった社員・業務を引き取る社員・キーパーソンの3者には、必ず個別に時間を取ります。聞くのは次の3点です。
- 今回の件をどう受け止めたか
- いま自分の仕事で一番きついのは何か
- 会社に対して「これが変われば」と思っていることはあるか
この場で説得しようとしないこと。反論も弁明もせず、聞くことに徹します。退職面談の進め方も、この局面でそのまま使えます。
初動でやってはいけないこと
| やってはいけない対応 | 何が起きるか |
|---|---|
| 退職者を社内で批判する(裏切り者扱い) | 残る社員が「自分も辞めるときこう言われる」と受け取り、本音を出さなくなる |
| 全員一律に昇給を提示する | 「辞めると言えば条件が上がる会社」という前例になる。原因は残ったまま |
| 犯人探しをする | 誰も何も言わなくなる。次の退職が完全に予告なしになる |
| 沈黙して様子を見る | 最も多い失敗。社員は「会社は何も手を打つ気がない」と結論づける |
| 退職の申し出を受理しない・引き延ばす | 法的リスクを負ううえ、揉めた事実が残る社員全員に伝わる(次章参照) |
退職の申し出への法的な扱い|経営者が誤解しやすい6点
連鎖退職の局面では、感情的な対応がそのまま法的リスクに直結します。基本を押さえておいてください。以下は一般的な整理であり、個別の判断は顧問社労士・弁護士にご確認ください。
1. 期間の定めのない雇用は、申し入れから2週間で終了する
民法第627条第1項は、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定めています。正社員が「2週間後に辞めます」と申し出た場合、原則としてそれは成立します。
2. 「月給制だから月末まで」「年俸制だから3か月前」は現在は通らない
同条第2項は「期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない」と規定しています。2020年(令和2年)4月1日施行の改正民法で「使用者からの」と明記されたため、労働者側からの退職申し入れはこの制限を受けません。
同条第3項の「六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない」も、2項を受けて使用者からの申し入れに限られます。したがって年俸制の社員であっても、労働者側からの退職申し入れは2週間ルールです。
3. 就業規則の「1か月前までに申し出ること」の位置づけ
多くの会社が就業規則に「退職は1か月前までに」と定めています。引き継ぎ上の合理性はありますが、裁判例は「民法627条1項は強行規定であり、就業規則で予告期間を延長しても労働者を拘束しない」とする立場が続いています(高野メリヤス事件・東京地判昭和51年10月29日、福岡高判平成28年10月14日など。最高裁判例はありません)。
実務上は「協力を求める根拠」として扱い、応じない社員に制裁を科す前提で運用しないでください。
4. 有期契約(契約社員・パート)は別のルール
上記は期間の定めのない雇用(正社員など)の話です。有期契約の場合は、原則として契約期間中の一方的な退職はできませんが、契約期間の初日から1年を経過していれば、労働者はいつでも退職できます(労働基準法附則第137条。一定の事業の完了に必要な期間を定めるものなどを除く)。また、やむを得ない事由があるときは期間中でも解除できます(民法第628条)。
5. 退職日をまたぐ有給休暇は、原則として消化できる
会社には年次有給休暇の時季変更権がありますが、変更先の時季が存在しない退職日以降には行使できないと解されています。「引き継ぎが終わるまで有給は認めない」という運用はリスクがあります。
また、年次有給休暇の買い上げは原則として認められません。買い上げを約束して取得させないことは、法定日数を与えていないことになり労働基準法第39条違反となります(昭和30年11月30日基収第4718号)。例外として、退職により権利行使の余地がなくなった残日数を退職時に買い取ることは差し支えないと解されていますが、会社の義務ではありません。
6. 引き止めの場面でやってはいけないこと
- 損害賠償を示唆する(「辞めたら訴える」「損害を請求する」)
- 退職届の受け取りを拒否する、握りつぶす
- 離職票・源泉徴収票の交付を引き延ばす
- 「懲戒にする」「経歴に傷がつく」と告げる
- 後任が決まるまで退職を認めないと通告する
これらは違法または違法の疑いが強いだけでなく、連鎖退職の局面では致命的です。対応の内容は必ず残った社員に伝わり、口コミサイトにも書かれます。「辞めるときに揉める会社」という評判は、その後の採用を数年単位で難しくします。退職代行を使われたときも、対応の原則は同じです。
【無料】連鎖の火種がどこにあるかを、データで確認する
ここまで読んで「兆候のチェックリストは当てはまるが、どこから手を付けるべきかわからない」と感じた方は、まず現状を可視化するところから始めてください。
キャリアクリエでは、組織のエンゲージメントや働きやすさの現状を短時間で把握できる無料の組織診断ツールをご用意しています。不満が水面下でどこに溜まっているかをデータで確認でき、優先して手を打つべき領域が特定できます。
連鎖退職の止め方②|30〜90日の立て直し
初動で連鎖を止められたとしても、そこで終わりにすると半年後に同じことが起きます。初動で止めたあと、数か月後に再発する例が少なくありません。
30日|業務を「人」から「役割」に組み替える
欠員を埋めるのに、辞めた人と同じ働き方ができる人を探すと採用は難航します。まず業務を洗い出し、標準化できるもの・外注できるもの・やめてよいものを仕分けてから、残った部分を採用要件にする。この順番を守るだけで、必要な人材のハードルが下がります。
あわせて、属人化の解消に着手してください。連鎖退職で最も大きな損失は、人数ではなくノウハウの消失です。
60日|退職理由を「個人の事情」から「構造」に翻訳する
退職した全員分について、「一身上の都合」の下に何があったかを書き出します。人間関係なのか、負荷なのか、評価なのか、将来が見えないことなのか。
重要なのは、個別のエピソードではなく、複数の退職に共通する要素を探すことです。3人のうち2人が同じ部署なら、その部署のマネジメントを疑う。3人とも入社3年目前後なら、その時期に何かが起きています。
90日|社外の人間が本音を拾う場を作る
連鎖退職の後、社員は経営者に本音を言いません。「今言うと会社を見捨てるように見える」「自分も辞めると思われる」と考えるからです。
このタイミングで有効なのが、外部のキャリアコンサルタントによる個別面談です。守秘義務のもとで本音を引き出し、個人が特定されない形で組織課題として経営者にフィードバックする。これがセルフキャリアドックの仕組みです。
面談で守秘義務がどう機能するかはキャリアコンサルタント面談の進め方で解説しています。なお、社員へのキャリアコンサルティング面談や研修にかかる費用は、人材開発支援助成金などの雇用関係助成金の対象となる場合があります。要件は年度・コースによって変わるため、実施前にご確認ください。
連鎖退職の防止|再発しない組織の3条件
条件1|不満が経営者に届く「公式な経路」がある
社員が経営者に不満を言えないのは、性格の問題ではなく構造の問題です。評価と処遇を握っている相手に、リスクを負って本音を言う理由がありません。
必要なのは、匿名性と継続性の2つを備えた経路です。1回きりのアンケートでは誰も本当のことを書きません。定期的に実施し、結果に基づいて何かを変え、その進捗を社員に返す。「言えば変わる」という実績が積み上がって初めて、経路として機能し始めます。
条件2|キーパーソンの負荷が定期的に点検されている
「あの人は大丈夫」が最も危険な判断です。優秀な人ほど不満を口にせず、静かに転職活動を終えます。
四半期に一度でよいので、キーパーソンとされる社員に対して「いま一番きついのは何か」「負荷は適切か」「この会社でやりたいことはできているか」を確認する場を持ってください。1on1が形骸化しない進め方も参考になります。
条件3|辞めた理由が記録され、次に使われている
退職者一人ひとりの理由を記録し、蓄積し、定期的に見返す。それだけで、次の連鎖を数か月前に察知できるようになります。
記録すべきは「退職理由」という一言ではなく、いつ気持ちが離れたか、何がきっかけだったか、どうなっていれば残ったかの3点です。この3点は、退職が決まったあとの面談でこそ正直に語られます。
よくある質問
Q. 何人辞めたら「連鎖退職」ですか
人数に定義はありません。連鎖退職かどうかを分けるのは人数ではなく「先行する退職が引き金になっているか」です。2人でも理由の根が同じなら連鎖ですし、5人でも全員が結婚・介護・独立などの個別事情で、互いに影響していないなら連鎖ではありません。同時期に重なったこと自体の判断基準は集団退職の兆候と初動対応で解説しています。
Q. 引き止めはすべきですか
本人が転職先を決めている段階での引き止めは、成功率が低く、成功しても再発しやすいのが実情です。引き止めよりも「何が決め手だったか」を聞くことのほうが、会社にとっての価値は大きいと考えてください。詳しくは退職の引き止めは何が成功を分けるかをご覧ください。
Q. 社員が本当の退職理由を話してくれません
当然です。円満に辞めたい人にとって、正直に話すメリットがありません。経営者が直接聞く限り、この構造は変わりません。第三者が守秘義務のもとで聞き、個人が特定されない形で集約する方法を検討してください。
Q. すでに半分近く辞めてしまいました。手遅れですか
手遅れかどうかを分けるのは、辞めた人数ではなく残っている社員に会社への期待が残っているかです。期待が残っていれば、業務負荷の是正と経営者の姿勢の変化で立て直せます。まず残る社員一人ひとりと個別に話すところから始めてください。
まとめ
- 連鎖退職と集団退職は定義の軸が違う。連鎖は「引き金があるか」、集団は「同時期に重なったか」で判断します
- 数十人規模なら、2人目が出た時点で単発の退職と切り離す。一人目と同じ対応をすると三人目が出ます
- 止め方の順番は、気持ちより先に業務配分。負荷の玉突きが連鎖の実体であることが多いためです
- 放置したときのコストを自社の数字で出す。対策の予算はそこからしか通りません
- 火が収まったら、退職理由を構造として蓄積する。記録がなければ次も同じ理由で辞められます
キャリアクリエは、京都・大阪・奈良・滋賀の中小企業に対し、組織診断と外部キャリアコンサルタントによる面談を軸に、連鎖退職の予防と発生時の立て直しを支援しています。「兆候は感じているが、どこから手を付ければいいかわからない」という段階でご相談ください。
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