【2026年11月5日受付開始】持続化補助金 第20回|広報費の補助金上限30万円 完全ガイド

【2026年11月5日受付開始】持続化補助金 第20回|広報費の補助金上限30万円 完全ガイド
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チラシを刷り直したい。ホームページを作り替えたい。インスタの広告も出してみたい。そう考えて補助金を調べ始めると、たいてい最初に名前が挙がるのが小規模事業者持続化補助金です。

その第20回の申請受付が、2026年11月5日(木)から始まります。

ただ、今回は少し事情があります。広報費とウェブサイト関連費の扱いが、前回の第19回から変わりました。去年の見積書や計画書をそのまま下敷きにすると、経費の組み立てが合わなくなる変更です。

この記事は、制度の名前を今日初めて見た方でも読み通せるように、そもそも何に使える補助金なのかから順番に書いています。そのうえで、第20回で変わった点を公募要領の原文に当たって整理しました。京都府内の小規模事業者の方を念頭に置いていますので、地域別最低賃金の加点のように京都特有の事情が絡む部分は、京都の日付で説明しています。

目次

去年の見積書のまま準備すると、合わなくなります

先に、変わった3点だけ挙げておきます。細かい説明はこのあと順を追ってしますので、いまは「このあたりが動いた」とだけ押さえてください。

①広報費に、補助金30万円(税込)という上限ができました。第19回には上限の定めがありませんでした。

②広報費だけでは申請できなくなりました。必ずほかの経費と一緒に申請する必要があります。

③ウェブサイト関連費の上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から「30万円(税込)」に変わりました。

この3つはいずれも、第20回の初版である第7版(2026年5月27日公開)の時点で入っている変更です。公募が始まってから途中で追加されたものではありません。それにもかかわらず、検索すると第19回以前の内容のままの解説記事も残っています。

本記事は、商工会議所地区の公募要領 第8版(2026年7月21日)と、商工会地区の公募要領 第8版、そして公募要領新旧対照表を、検索結果の抜粋ではなくPDF本文を開いて確認して書いています。商工会地区版と商工会議所地区版は、広報費とウェブサイト関連費の記載が同一であることも突き合わせて確認しました。確認日は2026年10月23日で、この時点で第9版以降は公開されていません。あわせて、2026年10月22日に公開された別紙「参考資料」と「申請時によくあるご質問」も確認しています。

そもそも小規模事業者持続化補助金とは|何に使えて、いくら戻るのか

正式には小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>という名前の制度です。小規模事業者が自分で経営計画を作り、商工会または商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等の取組について、その経費の一部を補助します。販路開拓とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組も対象です。

公募要領は制度の目的を、物価高騰、賃上げ、インボイス制度の導入といった「相次いで直面する制度変更等に対応するため」と説明しています。設備を入れて終わり、広告を出して終わりではなく、売上につなげる取組であることが前提になっている制度です。

お金の面は、次の2つの数字で決まります。

補助率は2/3です。ただし賃金引上げ特例に取り組む事業者のうち赤字事業者は3/4になります。

補助上限は50万円です。ここに特例の上乗せが加わります。

申請のパターン上乗せ補助上限
通常枠のみなし50万円
インボイス特例の要件を満たす場合+50万円100万円
賃金引上げ特例の要件を満たす場合+150万円200万円
両方の要件を満たす場合+200万円250万円

出典:第20回公募要領 第8版 P.7「6.補助率、補助上限額等」

補助上限は通常枠50万円を土台に、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方を満たすと250万円になることを示した積み上げグラフ
補助上限は通常枠の50万円が土台。特例はその上に乗る形で、要件を満たした場合だけ適用されます。

ここで取り違えやすいのが、「最大250万円もらえる制度」ではないという点です。補助金の額は、補助対象経費の合計額に補助率を乗じて得た額です。経費が75万円なら、補助率2/3で50万円。経費を使っていなければ、上限がいくらであっても補助金は出ません。上限は天井であって、金額の約束ではありません。

そして特例には、見落とすと痛い注意書きがついています。公募要領は、通常枠および特例の要件を1つでも満たさない場合、「特例による上乗せ部分のみではなく全体が交付対象外となります」としています。上乗せを狙って要件を取りこぼすと、本体の50万円まで失うという書き方です。特例は、要件を満たせる確信があるときだけ選ぶものだと考えてください。

自分は対象になるのか|小規模事業者の定義と、対象外になる事業者

「小規模事業者」という言葉は日常語のようですが、この制度では従業員の数で機械的に線が引かれています。根拠は商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律です。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

出典:第20回公募要領 第8版 P.4「2.補助対象者」

小売店や飲食店、士業事務所などは「商業・サービス業」に当たるため、5人以下という厳しめの線になります。業種の判定は、現に行っている事業の業態、または今後予定している業態によって行われます。

そして重要なのが「常時使用する従業員」の数え方です。公募要領は、これを中小企業基本法上の常時使用する従業員、すなわち労働基準法(昭和22年法律第49号)第20条の規定に基づく「解雇の予告を必要とする者」としています。そのうえで、次の人は含まないと明記されています。

日雇労働者。2か月以内の期間を定めて使用される者。季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者。試用期間中の者。会社役員や同居の親族従業員。

つまり、従業員名簿の人数をそのまま数えるのとは違う結果になり得ます。パートを含めて6人いても、内訳によっては「常時使用する従業員」は5人以下になることがあります。人数が境目にある会社は、自己判断せずに商工会・商工会議所で確認してください。ここを誤ると、採択後に対象外と判明して取消しになります。

なお、賃金引上げ特例や賃金引上げ加点で出てくる「従業員」は、この「常時使用する従業員」とは別の定義です。公募要領にも「本特例における『従業員』は、申請要件である『常時使用する従業員』とは異なります」と注記があります。同じ言葉が別の意味で使われているので、読むときは気をつけてください。

法人の形態によっては、そもそも対象外になります

補助対象となりうる者補助対象にならない者
会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人(弁護士・税理士等))
個人事業主(商工業者であること)
一定の要件を満たした特定非営利活動法人
医師、歯科医師、助産師
系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者も同様)
協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
一般社団法人、公益社団法人
一般財団法人、公益財団法人
医療法人
宗教法人
学校法人
農事組合法人
社会福祉法人
申請時点で開業していない創業予定者
任意団体 等

出典:第20回公募要領 第8版 P.4「補助対象者の範囲」

いくつか補足します。

個人農業者であっても、農作物の加工や、農作物を用いた料理の提供等を行う事業については、その加工や料理の提供等に必要な経費は補助対象になり得ます。農作物の生産自体に必要な経費は対象外です。京都の農家が加工品やカフェに取り組む場合は、ここを見てください。

開業届を税務署に提出していても、開業届上の開業日が申請日より後の場合や、申請時点までに事業を開始していない場合は対象外です。採択後に判明した場合は取消しになります。

法人にはこのほかに2つの条件があります。資本金または出資金が5億円以上の法人に、直接または間接に100%の株式を保有されていないこと。そして、確定している直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと。

過去に持続化補助金を使った会社は、まずここを確認

公募要領の「3.補助対象外となる事業者」に、過去の利用歴に関する規定があります。見落としやすいのに影響が大きいところです。

持続化補助金の一般型 通常枠(第1回〜第16回の一般型を含む)、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠、創業型のいずれかで採択を受けて補助事業を実施した場合、様式第14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果および賃金引上げ等状況報告書」が未提出の事業者は対象外です。補助金事務局から指摘のあった不備は、申請する公募回の申請受付締切までに解消しておく必要があります。

再申請できるタイミングも決まっています。過去に採択され補助事業を実施した事業者は、事業実施期間終了日の属する月の翌月から1年間が経過し、様式第14の提出を完了している場合に申請が可能です。

そして第20回で変わった点がここにあります。第20回で採択されて補助事業を実施した事業者が次に申請できるのは、様式第14の提出を完了したあと、さらに1年が経過してからです。第19回までは「提出を完了している場合に申請が可能」という書き方で、この「さらに1年」がありませんでした。連続して使う前提で計画を立てている会社は、この変更を押さえておいてください。

ほかに、一般型の「卒業枠」で採択を受けて実施した事業者、通常枠の「小規模事業者卒業加点」で採択を受けて実施した事業者、そして<創業型>に申請中または採択を受けている事業者も対象外です。創業型との同時申請はできません。

補助金は後払いです|お金の流れと、必要な自己負担

補助金を初めて使う方がいちばん戸惑うのが、お金の順番です。公募要領の冒頭の注意事項に、こう書かれています。

「補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、補助金は後払いです。」

つまり、先に自分で全額を払い、あとから補助対象と認められた分の2/3(または3/4)が入ってきます。補助率2/3で50万円の補助金を受け取る計画なら、75万円を先に用立てる必要があるという話です。資金繰りの段取りは、採択の前に考えておくことになります。

全体の流れは次のとおりです。

GビズID取得から事業効果報告までの流れ。原則として交付決定より前の発注・契約・支払は補助対象にならず、展示会等への出展申込みには例外があることを示した図
申請から入金までの流れ。補助対象になるのは、原則として交付決定日以降の発注・契約・支払です。

この図でいちばん大事なのは、交付決定の位置です。公募要領は、補助金の対象となる経費の発注・契約・支出行為は「補助金交付決定通知書」に記載された交付決定日から可能であり、原則として交付決定日前に行われたものは補助対象外だと明記しています。しかも、採択通知書だけでは補助事業を始められません。採択の連絡が来てうれしくなってすぐ発注すると、その分は対象外になります。

ただし、ひとつだけ例外があります。展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象になり得ます。ただし公募要領は、請求書の発行が交付決定日以後でなければ補助対象外だとしています。出展枠を早めに押さえておきたい場合は、申込みの時期ではなく請求書の発行日を先方と握っておいてください。

支払い方にもルールがあります。

補助対象経費の支払方法は銀行振込が大原則です。旅費や現金決済のみの取引(代金引換限定のサービス等)を除き、1取引10万円超(税抜)の現金支払は認められません。

自社振出・他社振出にかかわらず、小切手・手形・相殺による支払いは不可です。売掛金と買掛金の相殺による決済も認められません。

クレジット払いは、申請する事業者の名義であり、かつ補助事業期間内に金融機関等からの引き落としが完了している必要があります。分割払いやリボルビング払いで引き落としが期間外にまたがると対象外です。代表者や従業員が個人のクレジットカードで支払った場合は「立替払い」として扱われ、帳簿等で確認ができないと対象外になります。

そして1件あたりの発注総額が50万円超(税込)になる場合は、2者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶ必要があります。中古品の購入は金額にかかわらずすべて2者以上からの見積が必須で、こちらは理由書の提出による随意契約が一切認められません。

最後に税金の話を。補助金は経理上、原則として補助金の額の確定を受けた事業年度の収益として計上するもので、法人税・所得税の課税対象です。ただし公募要領は、本補助金が所得税法第42条(国庫補助金等の総収入金額不算入)または法人税法第42条(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)に規定する国庫補助金等に該当するとしており、補助金の交付の目的に適合した固定資産の取得または改良に充てた場合には、これらの規定を適用することができると明記しています。手元に残る額を考えるときは、この点もあわせて税理士等にご確認ください。

第20回の日程と基本条件

日程を一覧にします。第20回は申請受付期間が2026年11月から12月、補助事業の実施期限が2028年3月末という、かなり長い射程の回です。

項目日付
公募要領の公開2026年5月27日(水) ※第8版は2026年7月21日
申請受付開始2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表2027年3月頃の予定 ※申請数等により変更あり
見積書等の提出期限2028年2月29日(火)
補助事業の実施期限2028年3月31日(金) ※交付決定日から
実績報告書の提出期限2028年4月10日(月)

出典:第20回公募要領 第8版 P.3「事業概要」、P.22「8.申請手続」、P.24「9.補助事業実施期間等」

この表のなかで、カレンダーに先に入れるべき日付は12月15日ではなく12月4日です。

申請には商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)が必要で、これが無いと申請を完了できません。そして公募要領は、受付締切以降の発行依頼は「いかなる理由があってもできません」としています。さらに、補助対象者の要件を満たしていないと判断される場合も発行はできません。発行には面談や内容確認が入り、時間を要する場合があるとも書かれています。

公式な申請受付締切は12月15日(火)ですが、申請準備のうえで先に押さえるべき締切は12月4日(金)です。しかも、その日に駆け込んで発行してもらえる保証はありません。11月のうちに相談を済ませておくのが現実的な線です。

ひとつ注意点があります。公募要領の第8版では、申請受付締切の曜日表記がP.3では「12月15日(火)」、P.22では「12月15日(木)」となっており、2か所で食い違っています。暦では2026年12月15日は火曜日です。曜日ではなく日付で押さえてください。

申請方法と、申請に必要なアカウント

申請は電子申請システムでのみ受け付けられます。郵送での申請は一切受け付けません。

電子申請システムを使うにはGビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーのアカウントが必要です。ここが最初の関門になります。公募要領には「アカウントの取得には数週間程度を要しますので、未取得の方はお早めに利用登録を行ってください」と書かれています。暫定GビズIDプライムアカウントは使用できません。

すでにアカウントを持っている場合も、登録情報が古いままなら最新化してください。公募要領は、事業者情報を更新せずに申請・採択された場合、GビズIDの情報を最新化しなければ補助金の額の確定を受けられないとしています。

第三者の支援者に「GビズIDプライム」または「GビズIDメンバー」のアカウントとパスワードを開示することは、GビズIDの利用規約第11条に反する行為だという注意書きも入っています。代行業者に任せる場合でも、ここは渡してはいけません。

そして、申請先のURLは公募要領 第8版の時点で「現在調整中」です。第19回で使われていたポータルのURLは第20回では掲載されていません。受付開始に向けて、事務局サイトで公開を待つことになります。古い記事に載っているURLをそのまま使わないでください。

補助対象経費は8つ|広報費はそのうちの1つです

広報費の話に入る前に、経費の全体像を見ておきます。第20回の補助対象経費は次の8費目です。これ以外の経費は補助対象外です。

費目どんな経費か第20回の上限・単独申請
①機械装置等費補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入費目ごとの上限なし
②広報費パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費補助金30万円(税込)/単独申請は不可
③ウェブサイト関連費販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用に要する経費補助金30万円(税込)/単独申請は不可
④展示会等出展費新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費(オンラインを含む)費目ごとの上限なし
⑤旅費補助事業計画に基づく販路開拓等を行うための旅費国が定める支給基準を踏まえた額
⑥新商品開発費新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工の経費費目ごとの上限なし
⑦借料補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料費目ごとの上限なし
⑧委託・外注費①から⑦に該当しない経費で、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託・外注する経費(自ら実行することが困難な業務に限る)費目ごとの上限なし

出典:第20回公募要領 第8版 P.11〜P.19「7.補助対象経費」。上限欄の「費目ごとの上限なし」は、その費目に固有の金額上限が定められていないという意味で、補助上限(通常枠50万円など)の範囲内であることは前提です。

この表で押さえておきたいのは、単独では申請できない費目が②広報費と③ウェブサイト関連費の2つだけだということです。そしてこの2つだけに、補助金30万円(税込)という費目固有の上限がついています。第20回で手が入ったのは、まさにこの2費目です。

どの費目でも共通して満たさなければならない条件が3つあります。

①使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費であること。②原則として、交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払が完了した経費であること。③証憑資料等によって支払金額が確認できる経費であること。

②には例外があります。展示会等への出展の申込みについてのみ、交付決定前の申込みでも補助対象となります。ただし請求書の発行は、交付決定日以後でなければ補助対象外です。

加えて、費目のまたぎ方にルールがあります。迷いやすいところなので先に挙げておきます。

ウェブサイトやシステム開発等に関連するソフトウェアは、①機械装置等費ではなく③ウェブサイト関連費で計上します。

自社ホームページやECサイトで使用する動画や写真の制作費用等も、②広報費ではなく③ウェブサイト関連費です。

自社で開催するイベントの会場を借りる費用は、④展示会等出展費ではなく⑦借料です。商品・サービスのPRイベントの会場費も⑦借料に当たります。

出展にあたり必要な機械装置等の購入は①機械装置等費です。

ウェブサイト・システム開発等に係る委託・外注費は、⑧委託・外注費ではなく③ウェブサイト関連費で計上します。

この振り分けを間違えると、せっかく計上した経費が「対象外」になったり、30万円の枠を無駄に使ってしまったりします。計画を作る段階で確認しておくところです。

変わった点①|広報費に「30万円」の上限ができました

ここから第20回の変更点です。まず広報費の上限から。

項目第19回(第6版)第20回(第7版・第8版)
広報費の上限上限の定めなし当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)
広報費のみの申請制限の記載なし広報費のみによる申請はできません
広報費の定義パンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費
対象外の判定基準商品・サービスの名称や宣伝文句が付記されていないもの商品・サービスの名称や宣伝文句および事業者名等が付記されていないもの
自社サイト・ECサイト用の動画・写真記載なし③ウェブサイト関連費で計上する旨が明記

出典:第20回公募要領 第8版 P.13「②広報費」、第19回公募要領 第6版 P.13、公募要領新旧対照表 No.21〜No.25

第19回の公募要領には、広報費に金額の上限はありませんでした。補助上限の枠内であれば、広報費に全額を寄せることもできた計算になります。

第20回では、公募要領に「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」という一文が入りました。新旧対照表ではNo.23に当たります。

ここで大事なのは、この変更が第20回の初版である第7版(2026年5月27日)の時点で入っていたという点です。新旧対照表の表紙には「第7版からの変更点は、No.1、No.3、No.13、No.82となります」と書かれており、広報費に関するNo.21〜No.29は、第7版から第8版への改定ではなく、第19回から第20回への変更です。

自分で確認したい場合は、第8版PDFのP.13を開いてください。②広報費の欄の、注記の2つ目にこの一文があります。新旧対照表はNo.21から広報費の項目が始まります。

変わった点②|広報費だけでは申請できなくなりました

2つ目は、申請の組み立てそのものに関わる変更です。公募要領の広報費の欄に、次の一文が加わりました。

「広報費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」

第19回にはこの制限の記載がありませんでした(新旧対照表No.22)。

これが意味するのは、「チラシを刷りたい」だけ、「SNS広告を出したい」だけの計画では申請できないということです。何かほかの費目と組み合わせる必要があります。

では何と組み合わせるか。ここで「とりあえず何か足す」という考え方をすると、審査で引っかかります。計画審査には「積算の透明・適切性」という観点があり、補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか、事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているかが見られます。計画と関係のない経費を足しても、その経費が落ちるだけでなく、計画全体の説明がぼやけます。

素直な考え方は、広報の前段にある取組を計画に入れることです。何を売るのかが決まっていなければ広報の中身も決まらないので、順番としては自然です。

たとえば、新しい商品の試作開発(⑥新商品開発費)とその商品のチラシ・SNS広告(②広報費)。店舗の改装工事(⑧委託・外注費)と改装後の集客広告(②広報費)。製造機械の導入(①機械装置等費)と新商品の広報(②広報費)。展示会への出展(④展示会等出展費)と出展に合わせたパンフレット(②広報費)。いずれも、計画として一本の筋が通ります。

ここで、公募要領の本文だけでは読み切れなかった点に答えが出ています。②広報費と③ウェブサイト関連費はどちらも単独申請ができませんが、この2つを組み合わせた申請は可能です。2026年10月22日に公開された別紙「参考資料」に、「広報費のみ、またはウェブサイト関連費のみでの申請はできませんが、両経費を組み合わせた申請は可能です」と明記されました。「申請時によくあるご質問」のQ3-20にも同じ回答があります。

ただし参考資料は、あわせて「経費が広報費のみ、ウェブサイト関連費のみになった場合は、不採択となりますのでご注意ください」とも書いています。広報費+ウェブサイト関連費の2費目を組み合わせること自体は可能ですが、どちらか一方だけになってしまうと不採択です。いずれの経費も、補助事業計画に必要なものであることが前提になります。

変わった点③|インターネット広告・SNS広告が定義に明記されました

3つ目は、実務への影響が大きい変更の一つです。そして、見出しになりにくいぶん見落とされやすいところでもあります。

広報費の定義は、第19回の「パンフレット・ポスター・チラシ等」から、第20回では「パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS広告等」になりました(新旧対照表No.21)。

これを「補助の対象が広がった」と読むと、方向を取り違えます。実際に起きたのは、どの費目に計上するかの付け替えです。

新旧対照表を突き合わせると、第19回では③ウェブサイト関連費の「対象となる経費例」に並んでいた項目が、第20回では②広報費の「対象となる経費例」に移っていることがわかります。

第19回ではウェブサイト関連費の対象例だったインターネット広告・SNS広告・プレスリリース配信・電子パンフレット・インターネットDM・宣伝用の画像や動画作成が、第20回では広報費の対象例に移ったことを示す図
ネット広告まわりの計上先が、上限の考え方が違う費目へ移りました。

この付け替えが、広報費の30万円上限と組み合わさると効いてきます。

第19回では、ウェブサイト関連費の上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」でした。インボイス特例や賃金引上げ特例を使って補助金申請額が大きい会社なら、ネット広告まわりに使える枠もそれに応じて大きくなりました。

第20回では、これらが補助金30万円(税込)が上限の広報費に入ります。チラシもポスターも看板もSNS広告もネット広告も、同じ30万円の枠を分け合うことになります。

「SNS広告に30万円、チラシに20万円」という組み立ては、補助金ベースで合計50万円になるため、広報費の枠に収まりません。去年の感覚のまま計画を作ると、ここでつまずきます。

似ているのに計上先が違う3つの組み合わせ

第20回の要領は、この付け替えに合わせて区分の注記も入れ替えています。間違えやすい3つを挙げます。

自社ホームページやECサイトで使う動画・写真の制作費は、③ウェブサイト関連費です。第20回で新しく明記されました(新旧対照表No.25)。一方で、商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成は、②広報費の対象となる経費例に入っています。同じ「商品の写真を撮る」でも、自社サイトに載せるためなら③、SNS広告やチラシに使うためなら②という分かれ方です。

この振り分けには、参考資料でさらに細かい基準が示されました。SNS広告・インターネット広告のみに使用する画像・動画等は広報費。そしてウェブ上で公開するものと、SNS広告・インターネット広告に使用する画像・動画等の両方に使う場合は、ウェブサイト関連費です。「申請時によくあるご質問」のQ3-23も、ロゴや画像を紙媒体と自社ホームページの両方で使う場合はウェブサイト関連費で計上するとしています。迷ったら「ウェブでも使うかどうか」で分けると、要領・参考資料・FAQの3つと整合します。

街頭ビジョンやデジタルサイネージ広告への掲載は、②広報費です。ただし注意が必要です。第19回の要領には「掲載する映像や動画の制作費については③ウェブサイト関連費で計上してください」という注記がありましたが、この注記は第20回で削除されました(新旧対照表No.27)。そのため、掲載料が②であることは対象例から読めても、映像の制作費をどちらに入れるかが要領本文からは読み取れない状態でした。この点は「申請時によくあるご質問」のQ3-22で解消しています。「掲載料、掲載する動画等のコンテンツ制作費は広報費です」とされており、掲載料も制作費もまとめて②広報費です。

同じく第19回にあった「ウェブや動画に関する広報費用については③ウェブサイト関連費にて計上してください」という注記も削除されています(新旧対照表No.26)。古い記事がこの注記を前提に書いている場合、第20回には当てはまりません。

広報費の対象になるもの・ならないもの(第20回・全件)

対象となる経費例対象とならない経費例
チラシ・カタログの外注や発送
新聞・雑誌等への商品・サービスの広告
看板作成・設置
試供品(販売用商品と明確に異なるものである場合のみ)
販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合のみ)
郵送、インターネットを介したDMの発送
インターネット広告、バナー広告の実施
インターネットでのプレスリリース配信
電子パンフレット作成
商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成
SNS広告、運用代行費
街頭ビジョンやデジタルサイネージ広告への掲載
商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告・看板・会社案内パンフレット作成・求人広告(単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外)
試供品(販売用商品と同じものを試供品として用いる場合)
販促品(商品・サービスの宣伝広告の掲載がない場合)
名刺
金券・商品券
チラシ等配布物のうち未配布・未使用分
補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布
フランチャイズ本部の作製する広告物の購入
チラシ等に使用する画像等における被写体や商品(紹介物等を含む)の購入に係る関連経費

出典:第20回公募要領 第8版 P.13〜P.14「②広報費」

右側の列で、見落としやすいものを3つ挙げます。

求人広告は対象外です。人手が足りないから採用広告に使いたい、という使い方はできません。この制度は販路開拓の補助金です。

会社案内パンフレットの作成は対象外です。商品・サービスの宣伝広告を目的としないものは、単なる会社の営業活動と見なされます。パンフレットを作るなら、商品やサービスの名称・宣伝文句・事業者名が入っているかどうかが分かれ目になります。

チラシに使う写真の被写体そのものの購入費は対象外です。たとえば商品写真を撮るために小道具や紹介する物品を買った場合、その購入費は対象になりません。撮影費と被写体の購入費は分けて考える必要があります。

「30万円」は経費の上限ではなく、補助金の上限です

ここが、この記事でいちばん間違えてほしくないところです。

公募要領の表現は「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」です。30万円は補助金の側にかかっている数字で、使える経費の額ではありません。

広報費の30万円上限は補助金の側にかかる数字であり、補助率2/3の場合は広報費の補助対象経費45万円で補助金が上限30万円に達することを示した図
補助率2/3の場合、広報費の補助対象経費45万円で、広報費分の補助金が上限30万円に達します。

補助率2/3が適用される場合、広報費として計上する補助対象経費が45万円なら、その2/3は30万円です。ここで補助金が上限に達します。経費そのものに45万円という上限があるわけではありませんが、広報費に計上する経費を45万円より多くしても、補助金として受け取れる広報費分は30万円で止まります。

賃金引上げ特例のうち赤字事業者(補助率3/4)の場合は、経費40万円で補助金30万円になります。補助率が違えば、同じ30万円に対応する経費の額も変わります。

ここで、あえて書かないことがあります。「広報費には45万円まで使えます」という言い方はしません。理由は3つあります。

1つ目。補助金の額は補助対象経費の合計額に補助率を乗じて得た額であり、申請内容によって変わります。

2つ目。公募要領の注意事項に「審査の結果次第では、申請している補助金申請額から減額または全額対象外となる場合もあります」と書かれています。45万円を計上しても、45万円すべてが補助対象と認められる保証はありません。

3つ目。補助率が2/3か3/4かで、対応する経費の額が変わります。条件を書かずに1つの数字を出すと、必ず誰かにとって間違いになります。

補助金の記事で金額だけが独り歩きすると、見積の段取りまで狂います。この記事では、金額を出すときは必ず補助率とセットで書くことにしています。


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ウェブサイト関連費も変わりました|「1/4・最大50万円」から「30万円」へ

広報費と並んで手が入ったのが、③ウェブサイト関連費です。

項目第19回(第6版)第20回(第7版・第8版)
上限補助金交付申請額の1/4(最大50万円)当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)
定義販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト等販路開拓等を行うためのウェブサイトやECサイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用
処分制限財産の対象ウェブサイトを50万円(税抜)以上で作成・更新する場合ウェブサイトおよびシステムを50万円(税抜)以上で作成・更新する場合
単独での申請不可不可(変更なし)

出典:第20回公募要領 第8版 P.14〜P.15「③ウェブサイト関連費」、公募要領新旧対照表 No.30〜No.33

この変更は、会社によって有利にも不利にも働きます。向きが分かれるので、計算して確かめておきましょう。

第19回の「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」を、補助金申請額ごとに機械的に計算すると次のようになります。

補助金交付申請額第19回のウェブサイト関連費の上限第20回のウェブサイト関連費の上限
50万円12.5万円30万円(枠は広がる)
100万円25万円30万円(枠は広がる)
120万円30万円30万円(同じ)
200万円50万円30万円(枠は狭まる)
250万円50万円(上限で止まる)30万円(枠は狭まる)

左の2列は、第19回公募要領の「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」という定めを、補助金交付申請額ごとに機械的に計算した値です。実際の申請で認められる額は審査により変わります。

分かれ目は補助金交付申請額120万円です。120万円未満で申請する会社は第20回のほうが枠が広く、120万円を超えて申請する会社は第20回のほうが狭くなります。

通常枠だけで補助上限50万円を申請する会社にとっては、ウェブサイト関連費の枠は12.5万円から30万円へ広がったことになります。この部分だけを見れば第20回のほうが使いやすい制度です。

一方で、両特例を使って高額で申請する会社にとっては、50万円から30万円へ狭まります。そして同時に、広報費側にも30万円の上限ができました。ウェブとネット広告にまとめて投資する計画は、費目別の上限に収めにくくなる場合があります。

ウェブサイト関連費の対象になるもの・ならないもの(第20回・全件)

対象となる経費例対象とならない経費例
オフライン含むシステム開発
顧客管理システムの構築
アプリケーション開発
業務効率化のためのソフトウェア
販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(設計用3次元CADソフト、顧客管理ソフト等)※POSソフトは補助事業計画の「3.業務効率化(生産性向上)の取組内容」に記載した場合に限る
商品販売のためのウェブサイト作成や更新
効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策
商品販売のためのウェブサイトに掲載する宣材写真の制作費用
ウェブサイトに掲載する商品・サービスを販売するための画像や動画作成費用
ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング、アドバイス費用
電子書籍の出版に係る費用(新商品開発費でも対象外)
販売を目的としたシステムやソフトウェア開発(新商品開発費でも対象外)
家庭および一般事務用ソフトウェア
既に導入しているソフトウェアの更新料
補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ
有料配信する動画の制作費
有料の講座で使用する動画や電子教材の作成
ウェブサイトに使用する画像等における被写体や商品(紹介物等を含む)の購入に係る費用

出典:第20回公募要領 第8版 P.15〜P.16「③ウェブサイト関連費」

この表から、4点補足します。

SEO対策は「効果や作業内容が明確な」ものが対象例に入っています。逆に、何をするのかを書けないSEO対策は、公募要領が別に定める「支出内容が不明確なもの」に当たり、認められない可能性があります。見積書の内訳を出せる業者を選んでおくほうが安全です。

コンサルティング・アドバイス費用は対象外です。サイトを作る費用は対象でも、サイトについて相談する費用は対象になりません。ただし、インボイス制度対応のための専門家(税理士、公認会計士、中小企業診断士等)への相談費用は、⑧委託・外注費の対象例に入っています。

補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページは対象外です。作っただけでは認められません。公募要領は、ホームページで受注システムを作成しても補助事業終了までに公開して販路開拓の取組を行っていない場合は対象外になるという例も挙げています。公開して使い始めるところまでを期間内に収める必要があります。

そして、第19回にあった「ECモールのシステム利用料、商品の登録作業費」という例示は、第20回の公募要領の対象となる経費例から外れています(新旧対照表No.32)。一方、2026年10月22日に公開された参考資料は、ウェブサイト関連費として取り扱う経費例に「ECモールへの出店に係る初期費用」「ECモール・ホームページに掲載する写真の制作費用」「ECモール・ホームページの構築費」を挙げました。これらはウェブサイト関連費で計上します。

ただし、第19回に例示されていた「システム利用料」「商品の登録作業費」まで同じ扱いになるかどうかは、新しい資料からは断定できません。この2つを計上する場合は、事務局または商工会・商工会議所に確認してください。

なお、新旧を比べた表に出てくる「処分制限財産」とは、補助金で取得した財産を一定期間は自由に処分できない、という決まりのことです。ウェブサイトおよびシステムを50万円(税抜)以上の費用で作成・更新する場合、補助金の支払を受けた後であっても、一定の処分制限期間中に譲渡や廃棄などを行うには、原則として補助金事務局の承認が必要になります。この期間は一律ではありません。交付規程は、財産の処分を制限する期間を「補助金交付の目的および減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)の定めに従い管理」するとしており、公募要領が挙げている「通常は取得日から5年間」は目安と考えておいてください。ただし公募要領は、補助事業の目的を遂行するために必要なホームページの改良や機能強化は、この「処分」には該当しないと明記しています。日常的な更新のたびに申請が要るわけではありません。

広報費中心で組んでいた計画は、組み立て直しが必要です

ここまでの変更を踏まえると、計画を作る順番が決まります。

1. 何を、誰に売るのかを先に決める。これが経営計画(様式2)の中身になります。補助金の枠から逆算して計画を作ると、審査の観点である「自社の経営状況分析の妥当性」や「経営方針・目標と今後のプランの適切性」で説明がつかなくなります。

2. そのために必要な取組を書き出す。これが補助事業計画になります。

3. 取組を費目に振り分ける。ここで前述の振り分けルールを使います。

4. 広報費が補助金ベースで30万円を超えていないか確認する。補助率2/3なら、広報費の補助対象経費45万円で補助金が上限に達します。それを超えて計上した分は、補助金に反映されません。

5. ウェブサイト関連費も同じく30万円を超えていないか確認する。

6. 広報費・ウェブサイト関連費以外の費目が入っているか確認する。この2つだけでは単独申請の制限に触れる可能性があります。

7. 1件あたり50万円超(税込)の発注があれば、相見積を手配する。第20回で基準が下がったので、第19回の感覚だと漏れます。

そして最後に、判断に迷う経費は商工会・商工会議所に相談してから確定させること。様式4の発行を受ける際に、計画の内容や提出書類の過不足を確認してもらえます。特例を申請する場合は、要件を満たしているかも含めて見てもらえます。ここを使わずに自己判断で進めるのは、もったいないやり方です。

助成金と補助金では申請の性格が違う点については助成金と補助金は何が違う?中小企業のための使い分け早見表で整理しています。専門家に依頼するかどうか迷っている場合は助成金の申請に社労士は必要?|自分で申請 vs 専門家に依頼、中小企業の判断基準もあわせてご覧ください。

第20回では、ほかにもこれだけ変わっています

広報費・ウェブサイト関連費以外にも、第19回から変わった点があります。新旧対照表は全83項目ありますが、小規模事業者の実務に影響するものを選んで並べます。

項目第19回第20回
補助対象事業の要件(1)〜(3)の3要件(4)として「事業効果および賃金引上げ等状況報告書提出時の売上高・売上総利益が補助事業終了時と比較し増加することが見込める事業であること」が追加
相見積が必要な基準発注総額(1件あたり)100万円(税込)超50万円(税込)超に引き下げ(中古品は金額にかかわらず2者以上)
賃金引上げ特例の要件補助事業の終了時点で事業場内最低賃金が申請時より+50円以上補助事業実施期限日を終点とした連続する12か月とその前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増加
賃金引上げ加点の要件補助事業の終了時点で事業場内最低賃金が申請時より+30円以上同じ比較方法で、従業員1人あたり給与支給総額を年平均2.0%以上増加(新旧対照表No.76)
加点の新設—健康経営優良法人加点(重点政策加点/新旧対照表No.75)と地域別最低賃金引上げ加点(政策加点/同No.60・No.68)が追加
審査の観点「強みや弱みを踏まえているか」「実現可能性が高いか」等各項目に「売上高・売上総利益の増加を目指すものとなっているか」が追加
補助事業の実施期限2027年6月30日(水)2028年3月31日(金)
再申請できるタイミング様式第14の提出を完了している場合に申請可様式第14の提出を完了後、さらに1年が経過してから(第20回で採択・実施した場合)
申請先URLポータルのURLが掲載第8版の時点で「現在調整中」
補助対象物件の表示「第19回持続化」「第20回持続化」(シール、マジック等で表示)

出典:公募要領新旧対照表(第6版・第7版から第8版/2026年7月21日公開)No.13・15・16・17・18・20・37・39・40・41・44・47・73・74・75・76、および第20回公募要領 第8版

このうち、1つだけ掘っておきます。

相見積の基準が半分になりました

第19回では100万円(税込)超の発注に2者以上の見積が必要でした。第20回は50万円(税込)超です。

発注総額は1件あたりで見ます。50万円を超える発注は、小規模事業者でもホームページの制作や店舗の改装で普通に出てくる金額です。第19回の感覚で「100万円以下だから1社で大丈夫」と進めると、採択後の見積書提出で止まります。

見積を取ることが困難な場合は、該当企業等を随意契約の対象とする理由書を採択発表後から交付決定までに提出する道があります。ただし中古品の購入については、金額にかかわらずすべて2者以上からの見積が必須で、理由書による随意契約は一切認められません。中古の機械を入れる計画なら、ここは例外なしです。

なお公募要領は、相見積について「必ず補助事業者自身が別々の企業から取得するようにしてください」とし、金額が市場価格から著しく乖離しているなど社会通念上妥当でないと判断される経費は補助対象外になるとしています。

申請の流れと、審査で見られること

ここは、計画の中身が固まってから詳しく読めばよい部分です。先に全体像だけ押さえてください。

申請の流れは5つです。①必要な書類を用意する。②電子申請システムに経営計画・補助事業計画を入力し、商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する。③様式4の発行を受ける(商工会地区は窓口で面談のうえ発行され、商工会議所地区は発行を受けたPDFをシステムにアップロードします)。④受付締切までに提出物をすべて揃えて申請する。⑤採択後、計上しているすべての経費について見積書等を提出する。

代行業者に任せようと考えている方は、2点だけ先に知っておいてください。社外の代理人のみで商工会・商工会議所へ相談や様式4の発行依頼等を行うことはできません。そして第三者の支援を受ける場合は、支援料金の支払いの有無に関わらず、様式2の「商工会・商工会議所を除く第三者からのアドバイスの有無」の項目に、その相手方および支援に係る金額(着手金、成功報酬その他名目のいかんを問わず)を記載する必要があります。記載がない場合は虚偽の報告として不採択・交付決定取消となります。

審査は3段構えです。基礎審査で要件を満たしているかが見られ、満たさなければ失格。計画審査で「自社の経営状況分析の妥当性」「経営方針・目標と今後のプランの適切性」「補助事業計画の有効性」「積算の透明・適切性」の4項目が評価され、総合的な評価が高いものから順に採択されます。そして加点審査が乗ります。

第20回の計画審査では、「売上高・売上総利益の増加を目指すものとなっているか」という文言が全面的に入りました(新旧対照表No.73・74)。「やりたいこと」ではなく「いくら増えるか」を書く計画書が求められている、ということです。

加点には、知らないと損をするルールがひとつあります。

加点は重点政策加点から1種類、政策加点から1種類の合計2種類まで選べ、同じ区分から2種類以上を選ぶと加点審査の対象にならないことを示した図
各区分から選べるのは1種類まで。重点政策加点1種類+政策加点1種類の合計2種類までは選べます。

加点は【重点政策加点】5項目から1種類、【政策加点】11項目から1種類、合計2種類まで選択できます。公募要領には、その直後に「【重点政策加点】、【政策加点】から2種類以上を選択された場合には、加点審査の対象となりません」という注意書きが続きます。各区分から選べるのは1種類まで、という意味です。該当する加点が3つあっても、選べるのは各区分1つずつまでです。

第20回では、重点政策加点に健康経営優良法人加点(新旧対照表No.75)、政策加点に地域別最低賃金引上げ加点(同No.60・No.68)が新設されました。後者は京都の会社にとって日付の確認が必要な加点です。京都府最低賃金の改定は2026年11月16日発効で、申請受付開始日(11月5日)の時点ではまだ改定前にあたるため、対象期間の取り方が「当年未改定の場合」のパターンになります。

賃上げの原資をどう作るかという話は最低賃金が上がる中小企業の打ち手|賃金原資をどう作るかで扱っています。賃金引上げ特例や賃金引上げ加点を検討する前に、こちらを先に読んでいただくほうが順番としては自然かもしれません。

申請に必要な書類の一覧、審査の観点の全文、加点16項目の要件と必要書類については、持続化補助金 第20回|加点は2種類まで。審査の観点と必要書類を完全ガイドで整理しています。

よくある混同|<創業型>は別の制度です

検索していると「持続化補助金 創業型」という言葉に行き当たります。名前が似ていますが、<一般型 通常枠>と<創業型>は、対象者も要件も別の制度です。

第20回公募要領は、<創業型>に申請中または採択を受けている事業者は補助対象外としており、同時に申請することはできないと明記しています。どちらを使うかは選ぶ必要があります。

また、過去に<創業型>で採択を受けて補助事業を実施した場合、様式第14「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」が未提出なら、<一般型 通常枠>も対象外です。

<創業型>の受付日程や補助額はこの記事では扱いません。<創業型>の公募要領を直接確認してください。一般型の数字を創業型に当てはめると、金額も締切も合いません。

ついでに、名前が似ている別の国の補助金も挙げておきます。ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、サービス等生産性向上IT導入支援事業、事業承継・M&A補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)、事業再構築補助金、成長加速化補助金、新事業進出補助金。いずれも別制度です。

そして重要なルールが1つ。持続化補助金では、同一の補助事業(取組)について、重複して国の他の補助金を受け取ることはできません。他の補助金を受給しているか受給予定の場合は、補助金を受け取ることが可能かどうか、必ず双方の補助金事務局等にあらかじめ確認してください。同一事業者が同一内容で国の他の補助事業や委託事業等と併願している場合は、不合理な重複および過度な集中を排除するため、重複して採択されません。

受付開始までにやっておくこと

申請受付開始は2026年11月5日(木)、様式4の発行受付締切は2026年12月4日(金)です。それまでにやっておくことを、着手の順に並べます。

やること期限・目安
GビズIDプライムのアカウントを取得する
公募要領は「取得には数週間程度を要します」としています。暫定アカウントは使えません。すでに持っている場合は登録情報を最新化してください
いますぐ
過去の持続化補助金の様式第14の提出状況を確認する
未提出だと対象外。指摘された不備は申請受付締切までに解消する必要があります
いますぐ
「常時使用する従業員」の数を数え直す
人数が境目の会社は、自己判断せず商工会・商工会議所で確認
いますぐ
経営計画と補助事業計画の下書きを作る
売上高・売上総利益がいくら増える見込みかを、客観的なデータと一緒に書けるようにしておく
11月中
商工会・商工会議所に相談し、様式4の発行を依頼する
発行には時間を要する場合があります。締切日に駆け込んでも発行されるとは限りません
2026年12月4日(金)まで
1件あたり50万円超(税込)の発注が見込まれる場合は相見積を手配する
中古品は金額にかかわらず2者以上。理由書による随意契約は認められません
採択発表後から交付決定までに提出
加点を狙う場合は、認定書や証明書を準備する
事業承継加点の様式10は、様式4と同時に発行依頼します。前回分の再利用はできません
各加点の基準日まで
申請先URLと、準備中の資料の公開を確認する
申請先URLは第8版の時点で「現在調整中」で、2026年10月23日現在もまだ公開されていません。参考資料と申請時によくあるご質問は10月22日に公開済み。ガイドブックや申請システム操作手引き、電子申請システムなどは準備中です
受付開始まで随時

この表で順番がいちばん大事なのは、上の3つです。GビズID、様式第14、従業員数。この3つはどれも、引っかかった時点で申請そのものができなくなります。計画書を書き始める前に確認しておいてください。

自分で確かめる方法|一次情報はここにあります

補助金の情報は、記事やまとめサイトより公募要領を見るほうが早くて確実です。ここでは、その見方をお伝えします。

まず、自分がどの地区か調べる

この補助金は、事業を営んでいる場所によって問い合わせ先と事務局が分かれます。商工会地区と商工会議所地区です。京都府内でも市町村によって分かれます。

商工会地区の方は、商工会検索サイト(https://www12.shokokai.or.jp/hpsearch/top/php/shokokai_websearch.php)で、事業所が属する地域をご確認ください。問い合わせ先は地域の商工会です。

商工会議所地区の方は、商工会議所検索サイト(https://www.jcci.or.jp/ccisearch/?page=cciSearch)でご確認ください。補助金事務局の問い合わせ先は03-6634-9307、受付時間は9:00〜12:00と13:00〜17:00(土日祝日、年末年始を除く)です。

公募要領PDFを開いたら、最初に版数と日付を見る

公募要領の表紙には、右下に「第8版:2026年7月21日」のように版数と日付が入っています。開いたらまずここを見てください。手元のPDFが古い版だと、金額や締切が違っている可能性があります。

事務局サイトはそれぞれ次のURLです。

商工会議所地区:https://r6.jizokukahojokin.info/

商工会地区:https://official.jizokukanb.com/

変更点を知りたいときは、新旧対照表を見る

公募要領とは別に「公募要領新旧対照表」というPDFが公開されています。第20回のものは2026年7月21日公開で、左に新しい版、右に古い版の文章が並び、変わった箇所が項目番号つきで一覧できます。

この記事で引用している項目番号(No.21、No.30など)は、この対照表の番号です。商工会地区サイトの「申請について」ページに、公募要領(第8版)と並んで掲載されています。

変更点を自分で確かめるなら、記事を10本読むよりこの1本のPDFを開くほうが確実です。

参考資料とよくあるご質問が公開されました

公募要領の本文には「後日公開する別紙『参考資料』をご参照ください」という箇所が数多くあります。業種の考え方、旅費の支給基準、労働基準法に基づく賃金台帳の記載事項、経営力向上計画加点や事業承継加点の基準日、1人あたり給与支給総額の計算方法などです。

この「参考資料」と「申請時によくあるご質問」は、2026年10月22日に公開されました。あわせて「賃金引上げ特例・加点達成判定シート」と、そのマニュアルも公開されています。この記事で「要領だけでは読み切れない」と書いていた点のいくつかは、この2つで答えが出ました。経費の振り分けで迷ったら、要領の次にこの2つを見てください。

2026年10月23日の時点では、ガイドブック第4版や申請システム操作手引き、電子申請システムなど、まだ準備中のものもあります。申請先のURLも、まだ公開されていません。

そして公募要領自体についても、「本公募要領については、必要に応じて改定されることがあります。申請時には最新の補助金事務局ホームページからご確認ください」と書かれています。申請の直前にもう一度版数を確認してください。

まとめ|去年の記事ではなく、今年の要領で組む

第20回で変わったのは、この3点です。

①広報費に、補助金交付申請額の上限30万円(税込)ができました。第19回には上限がありませんでした。

②広報費のみによる申請はできなくなりました。ほかの経費と組み合わせる必要があります。

③ウェブサイト関連費の上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から「30万円(税込)」になりました。補助金交付申請額120万円未満で申請する会社は枠が広がり、それを超える会社は狭まります。

そして、見出しにはなりにくいけれど影響が大きいのが、ネット広告・SNS広告・プレスリリース配信・電子パンフレット・インターネットDM・宣伝用の画像や動画の制作が、ウェブサイト関連費から広報費へ移ったことです。去年はウェブサイト関連費の枠で考えていたものが、今年は30万円の広報費の枠に入ります。

最後に日付を。申請受付開始は2026年11月5日(木)、申請受付締切は2026年12月15日(火)17:00。そして事業支援計画書(様式4)の発行受付締切は2026年12月4日(金)です。逆算の起点にするのは12月4日のほうです。この日を過ぎると、理由を問わず発行してもらえません。

補助金は、計画を持っている会社の背中を押す仕組みです。何を売るのか、誰が動くのか。そこが決まっていれば、要領の読み方は後からでも間に合います。

※本記事は2026年10月23日時点で、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募の公募要領(第8版・2026年7月21日)、公募要領新旧対照表(第6版・第7版から第8版/2026年7月21日公開)、第19回公募要領(第6版)、別紙「参考資料」および「申請時によくあるご質問」(いずれも2026年10月22日公開)、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>交付規程(2026年3月6日改定)、および商工会地区・商工会議所地区の各事務局公式サイトを直接確認して作成しています。商工会地区版と商工会議所地区版の第8版について、広報費およびウェブサイト関連費の記載が同一であることも確認しました。
※制度は必要に応じて改定されることがあります。申請の際は必ず最新版の公募要領をご確認ください。
※対象経費・要件の個別判断は、公募要領および各事務局の公式見解によります。本記事は個別の判断に代わるものではありません。
※本記事で引用・参照した法令:補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)、商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)、労働基準法(昭和22年法律第49号)第20条、最低賃金法、中小企業等経営強化法、次世代育成支援対策推進法、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法、所得税法第42条、法人税法第42条、法人税法施行令第5条。
※京都府最低賃金の金額および発効日は、厚生労働省京都労働局の公表資料によります。


販路開拓の計画を立てるとき、動くのは結局は人です。売り方を変えるなら、現場がついてこられる状態かどうかを先に確かめておくと、計画の実現可能性も説明しやすくなります。

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